Japanese
English
特集 消化管の機能温存手術
骨盤内自律神経の片側および部分温存手術
Unilateral or partial preservation of pelvic autonomic nerve and plexus
沢田 俊夫
1
,
武藤 徹一郎
1
1東京大学医学部第1外科
キーワード:
自律神経温存術
,
直腸癌
,
排尿機能
,
性機能
Keyword:
自律神経温存術
,
直腸癌
,
排尿機能
,
性機能
pp.217-223
発行日 1993年2月20日
Published Date 1993/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901106
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骨盤内自律神経の片側および部分温存手術の適応は,側方リンパ節転移のリスクによって決められる.下部直腸進行癌203例(1963〜1991)の検討から,al以下・上方n(−)の側方転移率は14.0%(15/107)と最小であり,またa2以上・上方n(−)は15.4%(6/39),al以下・上方n(+)は18.4%(7/38)であり,これらの群に機能温存の適応があると考えられた.また,腫瘍主座が片側性の9例では,78%で同側側方転移を認めた.機能温存低位前方切除41例では,術後1週間以内にバルーンカテを抜去できた例が31例(76%)であり,ほかもすべて1〜3か月で自排尿が可能となった.また,性機能の検討(15例)では,勃起障害が8例(53.3%),射精障害も12例(80.0%)と高頻度であり,部分温存例に射精可能例はなかった.
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