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特集 側方リンパ節郭清のすべて—開腹からロボット手術まで
総論
直腸癌に対する側方リンパ節郭清の歴史
History of lateral lymph node dissection for rectal cancer
金光 幸秀
1
,
塚本 俊輔
1
,
森谷 弘乃介
1
,
高見澤 康之
1
Yukihide KANEMITSU
1
1国立がん研究センター中央病院大腸外科
キーワード:
直腸癌
,
側方郭清
,
自律神経温存術
,
TME
,
JCOG0212
Keyword:
直腸癌
,
側方郭清
,
自律神経温存術
,
TME
,
JCOG0212
pp.525-534
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213339
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【ポイント】
◆直腸癌外科における側方リンパ節郭清の歴史は,1895年のGerotaおよび1904年Poirierの理論的なリンパ流研究に始まる.
◆リンパ流理解のうえに立った実践という意味で,側方郭清は本邦では1946年から1990年の間におもにがん研外科で発展した.欧米でも1950〜1960年代はaortopelvic lymphadenectomyと称して側方リンパ節の一部が郭清されたが,転移陽性例はすでにsystemic diseaseとの考えから術式は縮小した.
◆1978年以降,拡大郭清による合併症の低減を,日本では自律神経温存術という新しい手技の確立に求めたの対して,欧米では放射線療法にそれを求め,ここが大きな分岐点になったと考えられる.
◆側方郭清の効果に関する科学的な検証が求められ,画像上側方リンパ節転移が認められない症例に対し,TME単独がTME+側方郭清に比べ非劣性であるかを検証する多施設共同無作為化比較試験(JCOG0212)が行われた.
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