Japanese
English
特集 直腸癌の治療—機能温存手術のプログレス
直腸癌に対して射精機能を維持する自律神経温存術
Anatomy of the lumbar splanchnic nerve and postoperative ejaculation of rectal cancer
大木 繁男
1
,
池 秀之
1
,
舛井 秀宣
1
,
市川 靖史
1
,
山口 茂樹
1
,
杉田 昭
1
,
嶋田 紘
1
Shigeo OHKI
1
1横浜市立大学医学部第2外科
キーワード:
自律神経温存術
,
射精機能
,
機能温存手術
Keyword:
自律神経温存術
,
射精機能
,
機能温存手術
pp.741-745
発行日 1999年6月20日
Published Date 1999/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905288
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男性性機能とくに射精機能を維持するには腰部交感神経の温存が必要である.腰部交感神経は腰部交感神経幹から下腸間膜動脈(IMA)近傍,大動脈前面,大動脈分岐部,岬角,骨盤神経叢を通過して精嚢腺,前立腺,尿道,膀胱に至る.これらの経路のうちどこで損傷しても射精機能障害が発生するが,特にIMAを結紮,切除する時には神経を損傷しやすい.そこで腰部交感神経とIMAの最短距離を測定すると,右では0〜2mm25.6%,3〜9mm5.1%,10mm以上66.2%であった.左では0〜2mm28.2%,3〜9mm25.6%,10mm以上46.2%であった.また左右の腰部交感神経の合流形式を分類すると,IMA直下型20.5%,大動脈前面型35.9%,大動脈分岐部尾側型41.0%,合流なし型2.6%であった.これらを考慮して自律神経温存術を行ったところ術後の射精機能は91%に維持された.
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