Japanese
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特集 再手術の適応と術式
胃切除術後の吻合部再発潰瘍
Surgical indication and operative methods for recurrent stomal ulcer after gastrectomy
柏木 秀幸
1
,
青木 照明
1
,
秋元 博
1
Hideyuki KASHIWAGI
1
1東京慈恵会医科大学第2外科
pp.315-323
発行日 1992年3月20日
Published Date 1992/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900751
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広範囲胃切除術後に発生する吻合部潰瘍は,吻合により作り出された新たな粘膜境界とともに,残胃の不十分な減酸か成因として関与し,医原性の要素を含んだ病態である.臨床上の問題点として,出血を代表とする合併症潰瘍の頻度が高く,緊急手術における予後不良とともに再発を繰り返しやすいことがあげられる.薬剤治療によるコントロールは可能であるが,治療の継続が必要であり,吻合部潰瘍に対する手術適応は常に存在するものと思われる.Zollinger-Ellison症候群との鑑別診断が不可欠であるが,吻合部潰瘍に対する手術術式の選択は選択的胃迷走神経切離術が中心となる.また症例により,残存幽門洞の切除,潰瘍部の切除,吻合部形成,再建ルートの変更が適宜選択される.
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