今月の主題 消化性潰瘍治療の新展開
再発と維持療法
吻合部潰瘍の治療
塚本 秀人
1
,
比企 能樹
1
,
三橋 利温
2
1北里大学医学部外科
2北里大学医学部内科
pp.1716-1718
発行日 1993年9月10日
Published Date 1993/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902280
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●吻合部潰瘍とは,胃切除術または胃空腸吻合術などの術後に発生する特殊な消化性潰瘍で,その成因としては初回手術の不完全,不適切による減酸不十分が考えられる.
●治療の第一選択は薬物療法であり,その基本はH2受容体拮抗剤,プロトンポンプ阻害剤などによる減酸であるが,瘢痕治癒後の再発率が高いため維持療法の重要性が問題となる.
●保存療法で止血困難な出血例や穿孔,狭窄例が絶対的手術適応となる.手術療法としては,再切除のみでは再々発の危険性があるため,迷切を加えたより完全な減酸手術が望まれる.
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