特集 術前・術後管理 '91
H.術後合併症の対策
d.開腹術後の合併症
開腹術後の創哆開
小西 富夫
1
1大森赤十字病院外科
pp.240-241
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900633
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■病態・病因■
腹壁切開創縫合部が生理的癒合に至らず,その一部または全部が離開した状態をいう.筋層および筋膜が哆開し,皮膚は哆開していない状態が不完全哆開で,後に腹壁ヘルニアを生ずる.皮膚も哆開すれば完全哆開で,この場合,内臓の露出ないし脱出がみられる.
発生頻度は開腹手術症例の0.3〜3%で,0.5%前後の報告例が多い.平均年齢は55〜65歳で中高年齢層に多く,性別では3:1〜10:1の割合で男性に多い.哆開日は術後7日目頃に多く,特に抜糸当日が過半数を占める.
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