特集 術前・術後管理 '91
H.術後合併症の対策
d.開腹術後の合併症
開腹術後の創感染
渡邉 千之
1
,
石山 賢
1
1自衛隊中央病院外科
pp.242-243
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900634
- 有料閲覧
- 文献概要
■問題点■
創感染は,18世紀末に患者を病院に収容して治療するようになって以来,外科医にとって大きな問題で,優秀な抗生物質が使えるようになった現在においても手術成績や患者回復に与えるマイナスは依然として大きい.特に開腹術例では腸内細菌による汚染の機会が多いため,その頻度が高く,術後合併症のかなりの部分を占めている.
■病態と病因■
清潔な手術創は一次的治癒過程をたどり,5〜7日で完治する.創感染の成立には図に示すように,①細菌側の因子,②創の状態③生体の感染防御機能が複雑に関与している.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.