Japanese
English
連載 日常みる角膜疾患・54
角膜移植後の問題点―創哆開
Complications of post-keratoplasty―Wound dehiscence
森重 直行
1
,
西田 輝夫
1
Naoyuki Morishige
1
,
Teruo Nishida
1
1山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系学域眼科学分野
pp.1594-1596
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101909
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症例
患者:16歳,女性
現病歴:15歳時,左眼の円錐角膜に対し,全層角膜移植を受けた。術後3か月時,犬が顔面に飛びかかり左眼部を受傷,急激な視力低下と流涙を自覚したため当院を受診した。
受診時の左眼視力は手動弁であった。角膜移植時の縫合糸は9時から3時にかけて半周断裂し,創が哆開して前房は消失(図1),角膜の哆開創に硝子体が陥頓していた。水晶体は透見できなかった。緊急入院のうえ,全身麻酔下で左眼の角膜縫合術,前部硝子体切除術を施行した。術中・術後,感染兆候や網膜剝離などの合併症を認めなかった。
受傷後6年を経過しているが移植片は透明性を維持し,視力はハードコンタクトレンズによる矯正で(1.5)である(図2)。
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