今月の臨床 イラスト 小手術
麻酔と切開
3.哆開創傷の再縫合
北尾 学
1
,
有行 泰秀
1
1島根医科大学産婦人科
pp.684-686
発行日 1995年6月10日
Published Date 1995/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902140
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開腹術後の創哆開は術前,術後の管理の進歩した現在においても依然として皆無とはならず,術後早期に緊急の対策を講じる必要のある病態で,重篤な合併症である.腹壁創哆開とは腹壁切開創が生理的癒合に至らず,その一部または全部が離開した状態をいう.皮膚,筋膜および腹膜の全層が離開するものと,皮膚のみ,あるいは皮膚と筋膜が離開するものとがある.腹壁創哆開の頻度は0.3〜3.0%と低いが1),周術期管理の改善,抗生物質の使用や縫合素材の開発にもかかわらず後を絶たない.
創哆開の重症例では創部からの体液の喪失や創感染による敗血症が惹起される危険性も高く,依然として厄介な術後合併症の一つである.
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