Japanese
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特集 胃癌の治療update
Borrmann 4型胃癌の集学的治療
Multi-modality treatment for Borrmann 4 type gastric carcinoma
磨伊 正義
1
,
藤本 敏博
1
,
高橋 豊
1
,
源 利成
1
,
木田 百合
1
Masayoshi MAI
1
1金沢大学がん研究所付属病院外科
pp.1111-1119
発行日 1991年9月20日
Published Date 1991/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900507
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Borrmann 4型胃癌は,特異な発育・進展様式を示すため,初診時,既に著明なリンパ節転移や癌性腹膜炎を伴っていることも決して少なくない.そこで遠隔転移を伴った高度進行癌(P2〜,N4,胸・腹水)24例に対し,FAM,Sequential MTX・5-FUを用いて術前化学療法を施行したところ,胸・腹水の消失77.8%,遠隔リンパ節転移の縮小50%,腫瘍マーカーの下降が86.6%にみられた.術前に化学療法が施行された24例中15例(68.2%)に胃切除が可能となり,術後平均生存期間は14ヵ月と延長した.一方,Borrmann 4型胃癌の再発時必発とされる癌性腹膜炎に対し術中MMC・OK 432の大量腹腔内投与を施行したところ,治癒切除群およびP0P1胃癌では有意に良好な術後生存期間の延長が確認された.また,術後長期にわたるOK 432の皮内投与は大量のマクロファージおよびTNFの腹腔内誘導を臨床上確認しており,胃癌の腹膜播種予防に有用と考えられる.
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