Japanese
English
特集 胃癌手術の限界と合理化
Borrmann 4型胃癌における検討
Radical operation for gastric cancer, Borrmann Ⅳ type with special reference to its limitation and rationalization
冨士原 彰
1
,
山田 真一
1
,
磯崎 博司
1
Akira FUJIWARA
1
,
Shinichi YAMADA
1
,
Hiroshi ISOZAKI
1
1大阪医科大学一般・消化器外科
pp.1515-1521
発行日 1986年10月20日
Published Date 1986/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209549
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過去7年間の教室におけるBorrmann 4型胃癌119例を対象に4亜分類し,臨床病理学的に検討した.1) Fc型:癌浸潤が胃壁全層かつ広範囲に及び,主として胃上部小彎を占居部位とする.2) FM型:胃壁全層かつ広範囲に浸潤するが,胃中部小彎を主占居部位とする.3) P型:主として胃下部を占居し,硬化が強く,狭窄を来たしやすい.4) L型:特徴的な巨大皺壁を伴うもので,癌が粘膜よりも粘膜下層以下を広くびまん性に浸潤する.いずれの型においても腹膜播種,リンパ節転移,他臓器浸潤は高度であるが,腹膜播種はFM型(61.1%),L型(55.5%)に多く,リンパ節転移はFM型(100%),Fc型(91.3%)と高率であるが,P型(79%)はそれに比して低率で,他臓器浸潤はFM型(66.7%)が高率でP型(43.8%)は低率であつた.しかしいずれの亜型も高度に進行しているものが多く,stage ⅡはP型の1例のみで,stage Ⅳが74.8%であつた.
以上のことより,拡大手術のみでは,その治療向上は望めないと考えられ,より効果的な集学的治療の確立が急務である.
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