Japanese
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特集 胃癌の治療update
胃癌肝転移の治療法と成績
Results of therapy for hepatic metastasis of gastric cancer
喜多村 陽一
1
,
鈴木 博孝
1
,
笹川 剛
1
,
山本 清孝
1
,
小熊 英俊
1
,
山瀬 由美子
1
,
吉田 裕
1
,
手塚 秀夫
1
,
平塚 卓
1
,
井上 達夫
1
Youichi KITAMURA
1
1東京女子医科大学消化器病センター外科
pp.1121-1128
発行日 1991年9月20日
Published Date 1991/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900508
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肝転移胃癌の予後は,肝転移巣での癌増殖の統御にかかっている.そこで,肝転移胃癌の病理学的特徴,手術法,化学塞栓療法について検討を行った.病理学的特徴は,深達度S2 se以上,腫瘍最大径6cm以上,隆起型,組織型pap,リンパ節転移陽性群が肝転移high-risk群と考えられた.術後生存率よりみて,肝転移胃癌に対する効果的手術法は,主病巣の摘出とH1における2群リンパ節郭清であった.肝合併切除やリンパ節拡大郭清は治療効果を認め得なかった.われわれが新たに作製した肝動注化学塞栓療法薬剤Lecithin配合ADR Iipiodol emulsionは副作用が少なく,抗腫瘍効果に優れていた.本療法により肝転移巣の統御が十分可能になれば,肝合併切除やリンパ節拡大郭清などの外科的処置の効果も期待できると考えた.
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