特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から
閉塞性脳血管疾患
コメント
米川 泰弘
1
1国立循環器病センター脳血管外科
pp.1552-1555
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900269
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
吉本および岡田らにより保存的治療の適応と限界について重要な指摘がなされた.吉本は1983年に報告された脳虚血症例のretrospective cooperative studyより中大脳動脈閉塞症例をpick upしてその予後を解析した.その結果,運動障害のgrade 2を可逆性の一応の目安とし,特にgrade 3から2への悪化時には急性期の可及的速やかな血行再建を提唱している.
岡田らは急性期の血行再建術の問題点,危険性を指摘しつつも,確かに急性期の血栓溶解法による血流再開により良好な転帰をとった症例を提示している.また同じく急性期の虚血性脳浮腫ないしは出血性脳梗塞に対する保存的治療の限界を指摘し外科的減圧術の効果に言及している.また慢性期の血行再建術についても,
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.