手術手技 基本的な手術・1
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鈴木 唯司
1
,
中田 瑛浩
2
1弘前大学医学部
2山形大学医学部泌尿器科
pp.383-384
発行日 1994年5月20日
Published Date 1994/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901212
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副腎摘出術に重要な点は全く著者が述べている点につきると考えている。特に臨床的な局所解剖をよく理解することが,副腎や周囲組織を損傷することなく,周囲脂肪組織を含めて剥離できることにつながる。一方,上手な副腎剥離のためには手術視野を広く取り得ることも重要である。私は原発性アルドステロン症やクッシング症候群における片側腺腫には著者も述べている11番肋骨切除を伴う経腰的(非経腹膜的)到達法をとり,褐色細胞腫や皮質癌には第9肋骨切除を伴う経胸腹膜到達法を愛用している。経腹膜的到達法は著者と同様両側性病変に対する副腎手術においてのみもっぱら用いている。
著者のとる上腹部横切開は広い視野を得ることができる。私は術後の疼痛を考え,筋肉を切断することのない簡単な上腹部正中切開をとっており,肥満者などでは時に視野が深く狭いときもある。
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