特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から
食道・胃静脈瘤
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出月 康夫
1
1東京大学医学部第2外科
pp.1354-1355
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900219
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食道・胃静脈瘤の治療は今世紀に入って始められたが,幾多の変遷を経て今日にいたっている.すなわち,1920〜1940年代までの初期の直達手術,内視鏡的硬化療法,1945〜1960年代までの門脈減圧手術,1960年代後半から今日までの直達手術と選択的シャント手術,さらに1970年代からの硬化療法の再登場と大きな変遷がある.とくに1980年代に入ると,内科医,内視鏡医の積極的参加によって内視鏡的硬化療法の普及はめざましく,これによって,食道・胃静脈瘤治療の動向は再び大きく変わることとなった,硬化療法が本格的に再登場して10余年を経て,これに対する評価,適応と限界も次第に明らかになりつつある,
今回,外科医の側と内科医の側から硬化療法を中心とする保存的治療の適応と限界について,それぞれの立場から現時点における考え方が示されたが,多少のニュアンスの差はあるが一致する点も多く,それほど大きな隔りはないように感じられた.
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