Japanese
English
特集 腹部血管病変の診療
消化管血管形成異常
Angiodysplasia of the gastrointestinal tract
柳 秀憲
1
,
楠 正人
1
,
山村 武平
1
,
宇都宮 譲二
1
Hidenori YANAGI
1
1兵庫医科大学第2外科
pp.581-589
発行日 1990年5月20日
Published Date 1990/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900094
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消化管出血における消化管血管形成異常の臨床的意義および管理上の問題点につき,教室で経験した2症例の分析に,若干の文献的考察を加えて検討した.消化管内視鏡検査,血管造影検査,ラジオアイソトープ検査,消化管造影検査の普及,発達により,それまで原因不明とされてきた消化管出血症例のなかに,消化管血管形成異常が多く含まれていることが明らかとなった.しかしながら,いずれの検査でも診断できない場合,または致死的な大量消化管出血や患者の状態が悪い場合は,積極的に手術に踏みきり,術中内視鏡検査を中心とした診断手技を併せて行うことにより全例において正確な診断が可能であると考える.消化管血管形成異常の診断が得られれば,好発部位,合併疾患および多発性の可能性を念頭に置いて術式を検討しなければならない.
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