Japanese
English
特集 消化器の“前癌病変”と“ハイリスク病変”
癌のハイリスク病変としての潰瘍性大腸炎
Malignant potential in ulcerative colitis
荘司 康嗣
1
,
楠 正人
1
,
池内 浩基
1
,
柳 秀憲
1
,
野田 雅史
1
,
山村 武平
1
,
宇都宮 譲二
1
Yasutsugu SHOJI
1
1兵庫医科大学第2外科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
Dysplasia
,
大腸癌
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
Dysplasia
,
大腸癌
pp.179-184
発行日 1997年2月20日
Published Date 1997/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902639
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潰瘍性大腸炎ulcerative colitis(UC)は大腸癌の高危険度群であり予防的大腸切除が提唱されたが,近年では癌に対する安易な予防的手術は行うべきでなく,7〜10年以上の病悩期間,全大腸炎あるいは左側大腸炎型の罹患範囲を考慮に入れた上でのsurveillance colonoscopyが必要であると考えられる.dysplasiaの分類においてhigh grade dysplasiaは多くが粘膜内癌と考えられるが,1ow grade dysplasiaが問題となる.K-ras突然変異やp53遺伝子変異などの研究がなされているが,明らかな腫瘍markerのない今日,surveillance colonoscopyによりdysplasiaあるいは早期癌での発見に努め,発癌の母地であり,抗原組織となる大腸粘膜の摘除を目的とした大腸全摘,回腸肛門吻合術を積極的に行うことが重要であると考えられる.
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