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あとがき
絹笠 祐介
pp.1392
発行日 2022年11月20日
Published Date 2022/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213962
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今回の特集は緊急対応が必要な大腸疾患でした.前任地でのがん専門病院でも,大腸外科は緊急手術が多く,われわれが手術室の受付に来ると,「また? 勘弁して〜」と嫌がられる診療科でしたが,大学という総合病院に赴任すると,その数はがんセンターの比ではなく,診療科全体の手術件数の1/3を占めるほどです.いくら予定手術の合併症を減らしても,本特集のように,緊急対応が必要な大腸疾患は多岐にわたり,われわれの職場環境を悪くする大きな原因となっています.
先日,英国で活躍する日本人外科医から,英国での仕事環境を伺う機会を得ました.通常手術はマスクを着けないでしているなど,大変興味深い内容でしたが,なかでも医師の働き方の違いには大変驚きました.2日間にわたる大きな手術の場合は,日中に一度手術をやめ,翌日に再開するとのことです.極度の疲労に加え,夜間に麻酔科医や看護師などを総動員して手術をやることに何もメリットはなく,まさに目からウロコのお話でした.合併症の対応も含め,時間外での診療は許されておらず,別チームが行うなどの分業もしっかり規定されており,まさにこれから日本が目指す働き方改革を一歩も二歩も先を行っている印象です.
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