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本年より編集委員のメンバーに加えていただきました.これまで,自分の症例のための調べもの以外でcase reportの類いを読んだことがなかったので,研修医になった気分で楽しく勉強させてもらっています.この「あとがき」欄へのはじめての投稿になります.
がん専門病院から大学に赴任してちょうど1年が経ちました.異動の年とロボット手術が保険収載された年が重なり,お陰様で大変忙しい毎日を送っています.これまでは寝ても覚めても大腸がん手術・治療のことばかり考える毎日で,キーワードはまさに「手術」でした.大学に赴任してからのキーワードは,「人」ではないかと感じています.もちろん本業の手術は沢山していますし,思ったより会議も多くありません(というより,手術と出張で会議の大部分をサボることができている).ただ,何しろ多くの人と出会い,関係をもった一年だったなと,しみじみ感じています.これは新しい職場だからというだけではなく,教える相手が,レジデントから医局員・研修医・学生に加えて,ロボット手術を始める他施設の外科医に広がったことや,さまざまな学会等の仕事が舞い込んできたこと,関連病院を含む人事など,自分の取り巻く社会が大きくなったためだと思います.今の環境と比べると,がんセンター時代の環境は一本化されていて,単純明快であったなと思う一方,今は極めて複雑で,その社会を共有するなかにいろいろな人がおり,さまざまな人に影響を与え,またおおいに影響を受けた1年だったと思います.いろいろな人がいて,それぞれの考えや価値観があり,そういった中でいかに良い結果を導き出せるのか? とても難しい課題ですが,やりがいのある仕事だなとも思います.そんな中で,この一年でまた少し「手術の腕が上がったな」という,嬉しい実感も得られました.
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