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あとがき
絹笠 祐介
pp.638
発行日 2020年5月20日
Published Date 2020/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212950
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今回の特集はtaTMEについてでした.直腸癌の手術においてはもっとも新しい手術法で,学会でも度々トピックになっているテーマです.その学会についてですが,まさに今,明後日に開催予定の第12回ロボット外科学会の開催の是非を問われております.新型コロナウイルス感染症が猛威を振るうなか,政府からのイベントに関する指針がもうすぐ発表されるとのことで,その指針を待っているところですが,発表されなかった場合には,非常に難しい選択を迫られるわけです.
以前から日本は学会が多すぎるという不満を持っており,また自分のような若輩者が主催すべきではないとも思っておりましたので,学会一つくらい中止にしても…という思いが頭をよぎるわけですが,ロボット手術も新しい治療の代表格です.臓器や施設によって,その経験/治療成績に大きな開きがあります.上級演題で講演をお願いした施設の症例数は,多いところでは同一術式が2,000件を超すようなハイボリュームセンターからの発表ばかりです.一方で一般演題では症例報告やポスター発表を除いても総症例数の中央値はわずか33例です.完成した抄録を読むと,この学会の果たすべき役割は大きいと思っており,なおさら判断に苦しんでおります.タイムリミットまであと数時間です.
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