増刊号 術前画像の読み解きガイド—的確な術式選択と解剖把握のために
Ⅲ 小腸・大腸
悪性疾患
直腸癌術後局所再発
池田 正孝
1
,
木村 慶
1
,
片岡 幸三
1
,
別府 直仁
1
,
内野 基
2
,
池内 浩基
2
Masataka IKEDA
1
1兵庫医科大学医学部消化器外科学講座下部消化管外科
2兵庫医科大学医学部消化器外科学講座炎症性腸疾患外科
キーワード:
直腸癌局所再発
,
骨盤解剖
,
R0切除
Keyword:
直腸癌局所再発
,
骨盤解剖
,
R0切除
pp.96-101
発行日 2022年10月22日
Published Date 2022/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213890
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
直腸癌術後局所再発は,下部直腸癌術後再発のなかでも最も多い再発の1つである.術前化学放射線療法の導入などで局所再発は減少しているが,一度発症すればQOLの低下を招くだけでなく,予後も非常に不良な病態である1).癌の進行だけではなく,術中の腸管損傷や縫合不全によるがん細胞散布や狭い骨盤内での不十分な郭清や剝離による癌遺残も原因になる2).このような場合は遠隔転移を伴わず局所の確実な切除で根治できる可能性があり,切除マージンを確保したR0切除を行うことで予後が改善する3).しかし再手術となるため正常な膜解剖構造が失われていること,癒着が予想されることなどから手術の難易度が高い.本稿では,狭い骨盤内で腫瘍から確実な切除マージンを確保した切除を行うためのポイントを解説する.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.