増刊号 術前画像の読み解きガイド—的確な術式選択と解剖把握のために
Ⅲ 小腸・大腸
悪性疾患
直腸癌
関 健太
1
,
塚本 俊輔
1
,
三宅 基隆
2
,
久戸瀬 洋三
1
,
井上 学
1
,
髙見澤 康之
1
,
森谷 弘乃介
1
,
金光 幸秀
1
Kenta SEKI
1
1国立がん研究センター中央病院大腸外科
2国立がん研究センター中央病院放射線診断科
キーワード:
直腸癌
,
CT colonography
,
MRI
Keyword:
直腸癌
,
CT colonography
,
MRI
pp.90-94
発行日 2022年10月22日
Published Date 2022/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213889
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直腸癌の手術は直腸固有筋膜に包まれた状態で直腸間膜を完全に切除するtotal mesorectal excision(TME)もしくは腫瘍の位置に応じて直腸間膜を部分切除するtumor-specific mesorectal excision(TSME)が基本となる.直腸固有筋膜を越えて広がる病変に対しては直腸周囲の自律神経の合併切除が必要となることがあり,さらに周囲臓器への浸潤がある場合には隣接する臓器の合併切除や骨盤内臓全摘術のような拡大手術が必要となる.直腸癌では腫瘍のTNM分類だけでなく,腫瘍の局在や肛門からの距離により術式が大きく変わり,術式ごとの難易度も異なるため,適切な画像診断により正確な術前診断を行うことが重要である.
本稿では,当院で用いている直腸癌の術前ステージングや術式決定に必要な画像検査について述べる.
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