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臨床報告
正中弓状靱帯症候群による前・後膵十二指腸動脈瘤同時破裂を動脈塞栓・血行再建で救命し得た1例
A case report of arterial embolism and revascularization for simultaneously ruptured aneurysms of the superior and inferior pancreaticoduodenal artery associated with median arcuate ligament syndrome
高橋 利明
1
,
國府島 健
1
,
野木 祥平
1
,
金平 典之
1
,
遠藤 芳克
1
,
甲斐 恭平
1
Toshiaki TAKAHASHI
1
1姫路赤十字病院外科
キーワード:
正中弓状靱帯症候群
,
膵十二指腸動脈瘤
,
血行再建術
Keyword:
正中弓状靱帯症候群
,
膵十二指腸動脈瘤
,
血行再建術
pp.236-240
発行日 2022年2月20日
Published Date 2022/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213633
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要旨
症例は52歳,男性.背部痛で当院へ搬送され,造影CTで正中弓状靱帯症候群(MALS)による腹腔動脈狭窄,前下膵十二指腸動脈(AIPDA)動脈瘤切迫破裂が認められた.血管造影ではAIPDAに加え,後下膵十二指腸動脈(PIPDA)瘤も認められた.双方を塞栓することによる肝血流障害の可能性が考えられ,血行再建術と動脈塞栓を併用する方針とした.はじめに胃十二指腸動脈と上腸間膜動脈に左大伏在静脈グラフトを用いて血行再建を施行し,その後AIPDA, PIPDAをコイルで塞栓した.術後3か月後のCTでもグラフトの開存は維持されており,肝機能障害は認めていない.MALSによるAIPDA・PIPDAの双方に動脈瘤をきたすことは非常に稀であり,一期的に動脈塞栓と血行再建術を行うことが有用であると考えられた.
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