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臨床報告
選択的動脈塞栓術にて良好な転帰が得られた正中弓状靱帯症候群に伴う下膵十二指腸動脈瘤破裂の1例
A case of a ruptured aneurysm of the inferior pancreaticoduodenal artery associated with the median arcuate ligament syndrome managed successfully with selective arterial embolization
佐藤 文哉
1
,
平松 聖史
1
,
佐伯 悟三
1
,
岡田 禎人
1
,
雨宮 剛
1
,
新井 利幸
1
Fumiya SATO
1
1安城更生病院外科
キーワード:
正中弓状靱帯症候群
,
膵十二指腸動脈瘤
,
動脈塞栓術
Keyword:
正中弓状靱帯症候群
,
膵十二指腸動脈瘤
,
動脈塞栓術
pp.1575-1579
発行日 2012年12月20日
Published Date 2012/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104400
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要旨
症例は48歳,男性.突然の腹痛を主訴に受診した.腹部造影CTで前腎傍腔から右腹腔内を主体とした血腫を認め,精査加療目的に入院した.第2病日のCTで下膵十二指腸動脈瘤と,腹腔動脈起始部のhook状の屈曲と狭窄を認め,正中弓状靱帯症候群に伴う下膵十二指腸動脈瘤破裂による血腫と診断し,緊急腹部血管造影を施行した.上腸間膜動脈から膵頭アーケードを介した肝への血流が非常に発達しており,腹腔動脈造影では総肝動脈への血流は乏しく,胃十二指腸動脈はほとんど造影されなかった.下膵十二指腸動脈に動脈瘤を認め,金属コイルによる選択的動脈塞栓術を施行した.塞栓術後の経過は良好で,第7病日に退院となった.正中弓状靱帯症候群に伴う膵十二指腸領域の動脈瘤破裂には選択的動脈塞栓術が有効であるが,腹腔動脈の血流是正の必要性に関しては今後の検討が必要である.
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