昨日の患者【最終回】
最終章は私の両親
中川 国利
1
1日本赤十字社東北ブロック血液センター
pp.1442
発行日 2020年12月20日
Published Date 2020/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213212
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- 文献概要
外科診療を介して出会った思い出深い患者さんを紹介してきたが,最も心に残る患者さんはやはり両親である.「昨日の患者」の最終患者として,私の両親を紹介したい.
両親は共に教職の道を歩み,退職後も教え子から慕われた.そして80歳代後半になるまで共に病気もせず,2人で田舎暮らしを楽しんだ.また私たち子供や孫らをしばしば集めては,成長ぶりを見守ってきた.しかし母は88歳で脳腫瘍を切除し,術後は自由に行動ができずに誤嚥性肺炎を繰り返した.一方,父は90歳で大腸癌となり,当時外科研修医であった私の次男と2人で腹腔鏡下大腸切除術を行った.そして私の姉の介助の下,田舎で暮らした.
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