1枚のシェーマ
私の最終執刀手術
渡邉 善則
1
1東邦大学心臓血管外科
pp.24
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu78_24
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心筋梗塞後心室中隔穿孔の急性期手術に対する,縫合部の負荷が均等となる術式として,左室自由壁の健常な部位から乳頭筋直下と大動脈弁直下の中隔にフラットな円形の縫合ラインにプレジェット付き3-0モノフィラメント糸のマットレス縫合を全周におき,60 mmの円に切り抜いたウシ心囊膜パッチ外則を10 mm織り込み,直径約50 mmのお椀状のパッチを作製し縫着する術式を考えていた(図1).2017年に低心拍出量症候群(LOS),多臓器不全(MOF)の状態となった症例に施行し,手術時間5時間35分,体外循環時間2時間35分,大動脈遮断時間1時間42分で手術を終了し,患者は無事独歩で退院した.奇しくもこの手術が,私の最終執刀手術となった.
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