1200字通信・150【最終回】
父の遺言—そうだったのか
板野 聡
1
1寺田病院外科
pp.1463
発行日 2020年12月20日
Published Date 2020/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213218
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父が亡くなったのは2017年の5月でしたので,早いもので,もう3年半が過ぎたことになります.仕事柄,多くの死に出会いますが,やはり身内との別れは辛く,後に尾を引くものではあります.仕事でお見送りをする時,特に高齢の男性であればあるほど,3年前の情景が思い出されて,改めて父の不在を知らされます.
そんなことが続いたある日,癌の末期で「後は緩和ケアしかすることがないので地元へ」と転院を勧められた患者さんが入院して来られました.紹介状には,いつものパターンで,「状態は落ち着いておられ,しばらく在宅も可能と考えます」と認めてはありましたが,すでに高用量の内服用麻薬が処方されており,ご家族の強い意向で,結局,転院即入院で対応することになったのでした.
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