Japanese
English
臨床報告
保存的に治療した門脈ガス血症を伴う食餌性イレウスの1例
A case of non-surgical management of food-induced ileus with Portal Venous Gas
山村 みつ江
1
,
村山 健二
1
,
岡田 嶺
2
,
鈴木 孝之
1
,
長谷部 行健
2
Mitsue YAMAMURA
1
1汐田総合病院外科
2東邦大学医療センター大森病院一般消化器外科
キーワード:
食餌性イレウス
,
門脈ガス血症
,
腸管気腫症
,
オクトレチオド
Keyword:
食餌性イレウス
,
門脈ガス血症
,
腸管気腫症
,
オクトレチオド
pp.1000-1004
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213032
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
症例は80歳,男性.夕食後に上腹部痛,嘔吐を発症し,当院救急外来を受診した.バイタルは正常.腹部は平坦かつ軟で,上腹部を中心に軽度圧痛を認めたが腹膜刺激症状はなく,CT所見から食餌性イレウスによる門脈ガス血症と診断した.バイタルが安定しており,腹部所見に乏しかったため,オクトレチオドを併用し保存的に治療することとした.症状は改善し16日目に退院となった.食餌性イレウスはイレウス全体の0.3〜3%とされ,さらに食餌性イレウスに門脈ガス血症を伴う症例は極めて稀である.本症例は稀なだけでなく,食餌性イレウスに対してオクトレオチドが有効であった可能性があるため報告する.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.