Japanese
English
臨床報告
短期間の保存的治療によって軽快した,門脈ガス血症を伴う急性腹症の1例
Rapid conservative cure of acute abdomen with portal venous gas:a case report
堀 亮太
1,3
,
斉藤 文良
1
,
小島 淳夫
1
,
日野 浩司
1
,
山下 巌
2
,
塚田 一博
3
Ryota HORI
1,3
1東名厚木病院外科
2東名厚木病院救急部
3富山大学医学部第2外科
キーワード:
門脈ガス血症
,
保存的治療
,
portal venous gas(PVG)
,
PVG軽症例
Keyword:
門脈ガス血症
,
保存的治療
,
portal venous gas(PVG)
,
PVG軽症例
pp.1587-1593
発行日 2010年11月20日
Published Date 2010/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103332
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要旨:患者は74歳,女性.臍周囲の激痛を主訴として当院に搬送された.来院時には腹痛はすでに消失しており,圧痛や腹壁緊張も認めず,血液検査上も特記すべき所見はなかった.しかし,CTで胃の拡張と,門脈本幹から肝内門脈内にガス貯留像を認めた.症状は軽快していたが入院とし,絶飲食・補液投与による保存的治療を行ったところ,翌日のCTでは異常ガス像は消失した.経口摂取の再開後も症状の増悪はなく,第6病日に退院となった.門脈ガス血症(portal venous gas:PVG)は腸管壊死に伴う予後不良徴候とされていたが,近年はいわゆる「PVG軽症例」の報告がなされている.非常に短期間の保存的治療で軽快し,CTで経時変化を観察することが可能であった貴重な症例と考えたので報告する.
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