Japanese
English
臨床報告
大腿静脈穿刺による中心静脈カテーテルが下腹壁静脈に迷入し腹直筋壊死をきたした1例
Rectus abdominis muscle necrosis caused by femoral central venous catheter displacement into the inferior epigastric vein
木下 春人
1
,
寺岡 均
1
,
森 拓哉
1
,
長谷川 毅
1
,
野田 英児
1
Haruhito KINOSHITA
1
1馬場記念病院外科
キーワード:
中心静脈カテーテル
,
下腹壁静脈
,
腹直筋壊死
Keyword:
中心静脈カテーテル
,
下腹壁静脈
,
腹直筋壊死
pp.883-887
発行日 2019年7月20日
Published Date 2019/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212540
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
症例は86歳,男性.他院入院中に右大腿静脈より中心静脈カテーテルが挿入された.挿入後17日目に発熱と右側腹部の発赤,腫脹を認め,壊死性筋膜炎の診断で当院へ紹介された.精査の結果,中心静脈カテーテルの下腹壁静脈迷入に起因した腹直筋膿瘍と診断し,緊急手術を施行した.壊死した腹直筋を除去し,カテーテルを抜去した.創部より排膿が遷延したため,手術より1週間後に残存壊死組織およびカテーテルの瘻孔切除を行った.大腿静脈穿刺による中心静脈カテーテルの下腹壁静脈への迷入により腹直筋壊死をきたした稀な1例を経験した.中心静脈カテーテル留置の際は,カテーテル逸脱の可能性を常に念頭に置いておくことが重要である.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.