Japanese
English
臨床報告
異時性4重複癌(直腸・肺・胃・肝)であった肝内胆管癌の1例
A case report of asynchronous quadruple cancer involving the rectum, lung, stomach, and intrahepatic bile duct
阪田 敏聖
1
,
神山 俊哉
1
,
蒲池 浩文
1
,
島田 慎吾
1
,
中 智昭
2
,
武冨 紹信
1
Toshihiro SAKATA
1
1北海道大学大学院医学研究科消化器外科学分野Ⅰ
2北海道大学病院病理部
キーワード:
異時性
,
4重複癌
,
肝内胆管癌
Keyword:
異時性
,
4重複癌
,
肝内胆管癌
pp.257-263
発行日 2019年2月20日
Published Date 2019/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212387
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要旨
症例は74歳の女性.64歳時に直腸癌(stage Ⅰ)に対し低位前方切除術,66歳時に右肺癌(stage Ⅰ)に対し右肺葉切除術,72歳時に胃癌(stage ⅠA)に対して胃全摘術を施行した.術後の定期検査にて肝腫瘤を指摘され,当科へ紹介され入院した.腹部造影CT検査で尾状葉に40 mm,S2に30 mmと7 mmの造影効果に乏しい腫瘤性病変を認めた.術前に転移性肝癌と肝内胆管癌の鑑別は困難であったが,胃癌が早期であることから肝内胆管癌を第一に疑い,肝左葉・尾状葉切除術を施行した.病理組織検査は,肝内胆管癌の診断であった.肝内胆管癌を含む4重複癌の報告は非常に稀であり,検索しえた限り本症例は2例目である.多重複癌であっても根治的切除により予後延長が期待できる.
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