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あとがき
絹笠 祐介
pp.772
発行日 2023年6月20日
Published Date 2023/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214168
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今回の特集テーマは『消化管手術での“困難例”対処法』でした.外科医の技術にゴールはないという思いから,一人前の外科医の定義は本当に難しいわけですが,本特集のような困難症例を独りで切り抜ける力を持つことが一つの指標ではないかと思います.今回は,比較的頻度の高い困難例についてまとめていただきましたが,一方で,非常に稀なケースも存在します.そのような場合に必要となるのは,経験値ではなくしっかりとした基本手技と応用力だと思います.手術の上手い外科医とはどんな医師かと問われると,決まって,応用力が高い医師だと答えています.これはなかなか若い先生に求められるものではなく,エキスパートになってからの差を表すものだと思います.そこに経験値が深く関係している(カバーしている)のかもしれませんが,やはり応用力が一番大事だと感じています.応用力の高い先生の手術は,本当に手術を見ていて勉強になり,目から鱗が落ちます.
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