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臨床報告
食道癌術後の右胃大網動脈浸潤を伴う膵頭部膵管癌に対して胃管温存膵頭十二指腸切除を施行した1例
Post-operative pancreatoduodenectomy reconstruction using a gastric tube in the patients with pancreatic ductal adenocarcinoma invading the right gastroepiploic artery
佐藤 太祐
1
,
松川 啓義
1
,
塩崎 滋弘
1
Daisuke SATO
1
1広島市立広島市民病院外科
キーワード:
食道癌術後
,
膵頭部癌
,
胃管温存
,
膵頭十二指腸切除
,
右胃大網動脈浸潤
Keyword:
食道癌術後
,
膵頭部癌
,
胃管温存
,
膵頭十二指腸切除
,
右胃大網動脈浸潤
pp.509-514
発行日 2018年4月20日
Published Date 2018/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212012
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要旨
症例は70歳代,男性.食道癌に対する食道亜全摘,胃管再建術後6年目に膵頭部癌が認められた.腫瘍は右胃大網動脈(RGEA)へ浸潤しており他科で化学療法を施行されていたが,閉塞性黄疸,通過障害をきたすようになり当初はバイパス術目的で紹介となった.しかし当科で根治手術可能と判断し,膵頭十二指腸切除(PD)を行った.胃管血流がRGEA浸潤によって右胃動脈(RGA)支配に血流改変されていたため,胃十二指腸動脈(GDA)を根部で切離しR0手術を達成できた.本症例の経験から,食道癌胃管再建術後の膵頭部癌に対するPDにおいて,計画的な血流改変によってRGEAを腫瘍近傍まで剝離することなくGDAを根部で切離し,根治性をより高める治療戦略の可能性が考えられた.
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