特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧
Ⅷ.膵癌
膵頭部癌に対する膵頭十二指腸切除術
山内 淳一郎
1
,
渋谷 和彦
1
,
江川 新一
1
,
元井 冬彦
1
,
砂村 眞琴
1
,
武田 和憲
1
,
松野 正紀
1
Junichiro YAMAUCHI
1
1東北大学医学部消化器外科
pp.262-266
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904665
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膵頭十二指腸切除術における術前画像診断の意義
膵癌に対する外科的治療において,長期生存を得るための必要条件は治癒切除を行うことである.したがって,術前の画像診断では治癒切除の可能性を正確に判断することが肝要となる.とくに膵頭部癌では神経叢を含めた膵後方への浸潤,門脈,上腸間膜動脈,総肝動脈などの主要動脈への浸潤が治癒切除の可否を規定する.さらに膵癌全国登録調査結果から判断すると,「膵癌取扱い規約」による肉眼的Stage分類の後方被膜浸潤(RP),前方被膜浸潤(S),リンパ節転移(N)において,RP0,RP1,S0,S1,そしてN0,N1は外科切除術により予後の改善が期待できる1).効果が期待できない症例に対する不必要な拡大手術を回避し,合理的な手術術式を選択するためにも各種画像による術前進展度診断は重要である.
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