増刊号 手術ステップごとに理解する—標準術式アトラス
序
渡邉 聡明
1
1東京大学腫瘍外科
pp.3
発行日 2017年10月22日
Published Date 2017/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211777
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
外科手術においては,古くから手順を重んじており,段階を踏んで手技を完遂することが重要とされている.近年では様々な外科手術用のエネルギーデバイスの開発もあり,手術術式は一層多様化してきている.また一方で,従来の開腹手術に加えてロボット手術を含め内視鏡外科手術が多くの領域で行われるようになったが,このような低侵襲手術の普及と同時に,今まで直視下には確認しにくかったような解剖学的構造も認識されるようになってきた.加えて画像診断技術も進み,以前にもまして術前の正確な評価のもとに,計画性をもって手術を立案・遂行することが極めて重要な時代となってきている.このような状況において,解剖学的な新しい知見も加えたうえで,簡潔に明快なステップを踏んで確実に手技をマスターできる手助けとなるようなアトラスが多くの外科医に求められていると考え,今回のような手術書の発行を企画した.
本特集では,外科医が扱う各領域において術式を細かく分類し,それぞれエキスパートの先生に術式ごとの手技上のコツを解説していただいた.各術式においてキーとなるステップのアトラスが呈示されているので,それぞれの手順を着実に理解できるものと大いに期待している.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.