特集 外科医のための大腸癌の診断と治療
序
渡邉 聡明
1
1帝京大学医学部外科
発行日 2010年10月22日
Published Date 2010/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103239
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
現在,わが国では大腸癌が増加傾向を示しており,癌による死因の臓器別分類のなかでも,男女ともに上位を占めている.したがって,大腸癌の早期診断および治療の重要性が増しているが,一方,近年の大腸癌の診断・治療では様々な進歩が認められており,適切な診断・治療を行うためには,これらの変化を十分に理解し,それらを臨床現場にフィードバックして診療にあたる必要がある.そこで今回,最新の知見を含めた現在の大腸癌診療に必要な情報をコンパクトにまとめ,この1冊で日常臨床に必要な情報が得られるような特集を組んだ.
具体的には,わが国における大腸癌の疫学,病理学的あるいは分子生物学的にみた大腸癌の発生,診断面では,進歩が著しい画像強調診断を含めた内視鏡診断,3D-CT,MR colonographyなどの最新の放射線診断,腫瘍マーカーなどについて取り上げ,さらに,炎症を背景とした大腸癌や遺伝性大腸癌など,通常の大腸癌とは異なる特殊な発癌過程をたどる大腸癌についても紹介していただいた.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.