Japanese
English
特集 神経系の発生
序
An introduction to developmental neurobiology
塚田 裕三
1
Yasuzo Tsukada
1
1慶応義塾大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, Keio University School of Medicine
pp.407
発行日 1982年6月10日
Published Date 1982/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905400
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- Abstract 文献概要
神経生理学の進歩は,出来上がった神経系について多くの事柄を明らかにした。しかし,実に見事な働らきを営む神経系がいかにして作り上げられてくるかについてはまだ知識は乏しい。ところが最近になって発生神経生物学は発生学研究の新しい技術開発によって,新らたな局面を迎えようとしている。すなわち,細胞工学技術の導入(キメラ動物の作製),神経系の発生異常を持つ突然変異動物の利用,モノクローン抗体の応用などによって,ニューロンやグリアの分化の様式,神経系構築の様相,細胞間接続の分子レベルでの解析など,基本的な課題が今後続々と解明される気運となっている。
神経系の機能を知るためには,まず神経系の発生と分化の過程が解き明かされねばならない。この意味で,神経系の発生と分化の研究は神経系研究の重要な方法の一つであった。
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