Japanese
English
臨床報告
体質性ICG排泄異常症の肝細胞癌患者に対し拡大左肝切除術を行った1例
A case of hepatocellular carcinoma with a constitutional ICG excretory defect treated with an extended left hepatectomy
奥村 徳夫
1
,
杉本 博行
2
,
田邊 裕
1
,
古池 真也
1
,
田上 鑛一郎
1
,
坪井 賢治
1
Norio OKUMURA
1
1JA愛知厚生連渥美病院外科
2名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
キーワード:
体質性ICG排泄異常症
,
肝細胞癌
,
99mTc-galactosyl human serum albuminシンチグラフィ
Keyword:
体質性ICG排泄異常症
,
肝細胞癌
,
99mTc-galactosyl human serum albuminシンチグラフィ
pp.343-348
発行日 2017年3月20日
Published Date 2017/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211550
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要旨
Indocyanine green 15分停滞率(ICG R15)が異常高値を示した体質性ICG排泄異常症患者の肝細胞癌に対して拡大左肝切除術を施行した症例を経験した.症例は67歳,男性.精査にて肝左葉に巨大肝細胞癌が認められた.ICG試験を施行したところICG R15が75%と異常高値を示したが,ほかの肝機能検査では異常が認められず,体質性ICG排泄異常症を疑った.99mTc-GSAシンチグラフィにて肝機能を再評価し,耐術可能と判断し手術を施行した.ICG試験は信頼できる肝予備能検査であり,結果によって切除術式を決定しているが,体質性ICG排泄異常症患者に対し大量肝切除が必要となった場合,その対応に苦慮する.術式選択のためにICG検査と同等の肝機能評価検査の確立が急務であると思われた.
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