Japanese
English
症例報告
肝細胞癌に対するcryosurgery後に,肝壊死組織が経表皮排泄された1例
Percutaneous elimination of necrotic liver tissue from after cryosurgery for hepatic carcinoma
秦 洋郎
1
,
横田 浩一
1
,
西江 渉
1
,
清水 匡
2
,
清水 宏
1
Hiroo HATA
1
,
Koichi YOKOTA
1
,
Wataru NISHIE
1
,
Tadashi SHIMIZU
2
,
Hiroshi SHIMIZU
1
1北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野
2北海道大学大学院医学研究科高次診断治療学専攻病態情報分野
1Department of Dermatology,Hokkaido University Graduate School of Medicine
2Department of Radiology,Hokkaido University Graduate School of Medicine
キーワード:
肝細胞癌
,
経表皮排泄
,
Cryosurgery
Keyword:
肝細胞癌
,
経表皮排泄
,
Cryosurgery
pp.78-80
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100022
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要約 73歳,女性.1987年よりC型慢性肝炎で加療,2002年1月肝左葉S2区域に径2.2×2.2cm大の肝細胞癌を発症した.2002年2月20日,肝細胞癌に対して経表皮的cryosurgeryが施行された.6月上旬,腹部の手術創に一致して中央から膿汁排泄を伴う赤色結節が2個出現した.膿汁の細菌培養は陰性であった.結節を含めた皮膚生検組織では腫瘍細胞は認められず,反応性の肉芽組織の像を呈した.腹部CT検査で肝左葉に境界明瞭な低吸収領域を認め,腫瘍細胞がcryosurgeryによって壊死した部分と考えられた.瘻孔造影を施行したところ,肝臓と皮膚との交通が確認された.以上の所見より,本症例は経表皮的cryosurgeryによって壊死した肝臓の組織がプローブを刺入した経路に沿って経表皮排泄されたものと診断した.
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