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あとがき
渡邉 聡明
pp.128-128
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211500
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学会シーズンが続いていますが,アメリカ,韓国,台湾ならびに国内の学会に参加してきました.今回感じたのは,国内・国外の学会ともに興味ある演題がディベートセッションとして取り上げられていることでした.ディベートといえば,最近のアメリカ大統領選挙で行われたクリントン氏とトランプ氏のディベートが記憶に新しいところです.結果から言うと,あのディベート自体がどのくらい選挙に影響を与えたかは定かではありません.結果は,皆さんもご存じのような“予期せぬ?”ものとなりました.
ところで,そもそもディベートといっても,お互いの演者が単に主張を述べるものから,競技ディベートのように演者同士が激しい攻防を展開するものまで,かなり広い意味があります.現在,学会で開催されるディベートセッションは,お互いの演者がそれぞれの立場で発表するのが主体で,演者間での直接の議論が少ないことが大半だと思います.ただ,理解を深めるには,競技ディベートのように演者が他方の立場の演者に対して直接質問し,返答するといった作業を交互に何回か繰り返し,最後にどちらが説得力があったかを会場の聴衆が判定する(投票する),つまり勝敗を決める,といったスタイルで,演者が議論を戦わせるところも見たい気もします.そして将来的にはそれを英語で行って,ディベートを通して,思考能力,論理性,発表能力,英語力などを培って海外でも通用する力を養っていくことが必要でしょう.
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