--------------------
あとがき
渡邉 聡明
pp.382
発行日 2013年3月20日
Published Date 2013/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104523
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
2012年,アメリカのサンアントニオで開催されたAmerican Society of Colon and Rectal Surgeons(ASCRS)およびイタリアのボローニャで開催されたInternational Society of University Colon and Rectal Surgeons(ISUCRS)に出席して1つの変化を感じました.直腸癌に対する術前化学放射線療法後の“Wait and Watch Policy”が以前より注目を集めていた点です.
“Wait and Watch Policy”とは,直腸癌に対して術前化学放射線療法を行った際,pathological complete response(pCR),すなわち腫瘍の完全消失が予想される場合に,手術を施行せず経過観察を行う方針です.もともと1990年代からブラジルのチームを中心に報告されてきた方針ですが,これまでは批判的な意見が多かったのに対して,2012年の学会では臨床試験が開始されるなど,“Wait and Watch Policy”の意義をより積極的に評価していこうとする傾向がみられました.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.