Japanese
English
臨床報告
ERCP後膵炎によるwalled-off necrosisを合併後に膵頭十二指腸切除術を施行した下部胆管癌の1例
A case of bile duct carcinoma with walled-off necrosis due to post-ERCP pancreatitis for which a pancreaticoduodenectomy was undertaken
岡屋 智久
1
,
山森 秀夫
1
,
山本 和夫
1
,
平井 太
2
,
菅野 勇
3
,
宮崎 勝
4
Tomohisa OKAYA
1
1千葉県済生会習志野病院外科
2千葉県済生会習志野病院消化器科
3千葉県済生会習志野病院病理
4千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学
キーワード:
胆管癌
,
ERCP後膵炎
,
walled-off necrosis
,
膵頭十二指腸切除
Keyword:
胆管癌
,
ERCP後膵炎
,
walled-off necrosis
,
膵頭十二指腸切除
pp.1026-1031
発行日 2015年8月20日
Published Date 2015/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210851
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要旨
症例は58歳,男性.黄疸のため入院となった.ERCPを施行し,下部胆管閉塞部の擦過細胞診でclass Ⅴの診断を得た.その後膵炎を発症し,造影CTで膵を取り囲む囊胞性病変を認めwalled-off necrosis(WON)が疑われた.ERCP後104日に胆管癌に対して手術を施行した.囊胞を切開すると内部は壊死物質であった.膵周囲の線維化のため手術操作に難渋したが膵頭十二指腸切除術(PD)を施行した.術後,囊胞切開部の膵液瘻から二次的な膵管空腸吻合部縫合不全を認めたが慎重なドレーン管理により改善し,術後70病日に退院した.ERCP後膵炎にWONを合併したPDでは術前に十分な計画を立て,慎重な術後経過観察が肝要である.
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