Japanese
English
臨床報告
ERCP後に重症膵炎をきたした下部胆管癌に膵頭十二指腸切除を施行した1例
A case of pancreatoduodenectomy(PD)for biliary cancer with severe post-ERCP pancreatitis(PEP)
南村 圭亮
1
,
若杉 正樹
1
,
梅村 彰尚
1
,
菊一 雅弘
1
,
平田 泰
1
,
坂本 昌義
1
Keisuke MINAMIMURA
1
1三井記念病院外科
キーワード:
膵頭十二指腸切除
,
ERCP後膵炎
,
膵液瘻
Keyword:
膵頭十二指腸切除
,
ERCP後膵炎
,
膵液瘻
pp.913-917
発行日 2010年6月20日
Published Date 2010/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103108
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:患者は61歳,男性で,右背部痛を主訴に受診した.肝機能異常および腹部超音波検査で肝内胆管拡張,総胆管内腫瘤を指摘され,精査のため入院となった.ERCPで下部胆管癌が疑われた.ERCP後に重症膵炎(CT grade分類Ⅳ)を発症し,保存的加療を行った.ERCP後71日目にPDを施行したが,術後6病日に腹腔内出血をきたし再開腹止血術を行った.術後,持続洗浄とソマトスタチンアナログ剤の投与を行ったがドレーンアミラーゼは高値であり,再手術後27日目に再出血をきたした.造影CTで胃十二指腸動脈切離断端部に仮性瘤を認めたためTAEを行ったところ,それ以後は止血が得られ,残存する膵液瘻はフィブリン糊の充塡により消失した.集学的治療により救命することができたので報告する.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.