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連載 My Operation—私のノウ・ハウ
腰部交感神経節切除術
Lumbar Sympathectomy
三島 好雄
1
1東京医科歯科大学第2外科
pp.371-376
発行日 1987年3月20日
Published Date 1987/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209654
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適応と手術
手足に虚血による安静時疼痛や栄養障害,難治性潰瘍のあるものが交感神経節切除術sympathetic ganglionectomy(単にsympathectomyとよぶことが多い)の適応となるが,血行再建時の補助手段として併施されることも少なくない.我が国における四肢動脈の慢性閉塞は欧米のそれに比して血行再建の適応となるものが少なく,次善の策として本法を行うことが多い.慢性動脈閉塞に対しては閉塞部付近の血管収縮を除去し,側副血行の血管緊張を解除することが目的で,閉塞性動脈硬化症 に比して 血管収縮の 要素の つよいBuerger病で効果がすぐれているようである.本法は皮膚血行を増大させるものであつて,四肢の安静時疼痛や難治性潰瘍などには有効であるが,筋血行増大作用は少ないので,間歇性跛行はこの手術のよい適応とはならない.
禁忌は急速に進行する虚血性病変とpoor riskの症例であるが,閉塞部付近に側副血行となりうる小動脈がみられない症例にこの手術を行うと,末梢方で血管拡張がおこるのに,閉塞部で流入動脈の血流が増加しえないので虚血症状がかえつて悪化する.
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