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特集 最近のトピックス 2006 Clinical Dermatology 2006
4. 皮膚疾患治療のポイント
コレステロール結晶塞栓症によるblue toe syndromeの治療―腰部交感神経節ブロックを含めて
Blue toe syndrome associated with cholesterol crystal embolization:Neurolytic lumbar sympathetic blockade
落合 豊子
1
Toyoko OCHIAI
1
1駿河台日本大学病院皮膚科
1Department of Dermatology,Surugadai Nihon University Hospital
キーワード:
コレステロール結晶塞栓症
,
blue toe syndrome
,
腰部交感神経節ブロック
,
LDLアフェレーシス
,
スタチン系
Keyword:
コレステロール結晶塞栓症
,
blue toe syndrome
,
腰部交感神経節ブロック
,
LDLアフェレーシス
,
スタチン系
pp.98-102
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100599
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要約 コレステロール結晶塞栓症(CCE)は腎臓に多発し,腎障害が予後を規定する因子となるが,下肢,足趾に生じた場合は安静時痛を伴って網状皮斑,チアノーゼ,潰瘍を生じblue toe syndromeと呼ばれる.CCEは,近年報告例が増加しているが,その治療については確立されたものがない.本症では血圧や心不全のコントロールなどの補助療法を行いながら,可能ならば抗凝固薬療法を中止する.そして腎機能の改善と皮膚の虚血性変化に対し,副腎皮質ステロイドやHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の内服,LDLアフェレーシス,血漿交換などを選択し,下肢の疼痛や難治性潰瘍を呈する症例についてはプロスタグランディンE1製剤の静注や腰部交感神経節ブロック治療などの適応を検討する.blue toeの有無は患者のQOLを左右する重要な因子であり,皮膚科医は循環器科や麻酔科と連携して,全身症状に留意しながら治療にあたることが望まれる.
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