カラーグラフ シリーズ・新しい内視鏡治療・23
胸腔鏡下の交感神経切除術
大澤 寛行
1
Hiroyuki OOSAWA
1
1東京警察病院外科
pp.805-811
発行日 1994年7月20日
Published Date 1994/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901576
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はじめに
交感神経切除術は,1924年Buerger病に対してDiezが,1925年Raynaud病に対してAdsonおよびBrownが初めて行っており,当時,四肢末梢血流障害に対して有効な唯一の手術法であった.その後,血行再建手術が主流となったが,近年,交感神経切除術は再評価を受けるに至った1).特に血行再建不能な末梢循環障害に対して血管拡張薬などの薬物療法との併用でより有効であり,また血行再建との併施により開存率の向上が認められた.すなわち,血行再建においては補助手段として有用であり,細動脈レベルでの血流改善には薬物療法と並んで主要な手段である.
上肢の血行障害に対して,従来より開胸による交感神経切除が行われてきた.しかし第3または第4肋間開胸による到達法は,手術規模のわりに創が大きく,補助手段として施行するには多少の抵抗が感じられた.
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