画像診断 What sign?・39
Toxic Megacolon
佐藤 豊
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1聖マリアンナ医科大学放射線科
pp.1310
発行日 1986年8月20日
Published Date 1986/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209512
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toxic megacolon(t.m.)は潰瘍性大腸炎の経過中に起こる最も激烈な病態であり,臨床的には発熱,脱水,血圧低下などの重篤な全身症状と,結腸の広範な拡張による,圧痛を伴う急激な腹部膨満がみられ,腸音は減弱する.t.m.は潰瘍性大腸炎の急性期にも慢性期にもみられる.病理的に拡張した結腸の腸管壁は,筋層および漿膜を含む全層にわたる急性炎症像と壊死を呈し,きわめて脆弱である.腹部単純エックス線像(図)では結腸全体にわたる著しい拡張がみられ,特に横行結腸に著しい.この際,結腸横径の増加は著しいが,長軸方向への延長はあまりみられないのが特徴であり,拡張部のhaustraは消失する.t.m.を起こして脆弱になつた結腸は穿孔を起こすことが多く,腹腔内に遊離したガスが臥位の撮影では拡張した腸管内のガスによつて隠される場合があるので,立位,臥位側面,あるいは側臥位正面(デクビタス)撮影をあわせ行うべきである.t.m.が疑われる時には注腸は禁忌である.潰瘍性大腸炎とともにt.m.の原因となる疾患を表にあげる.
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