My Operation—私のノウ・ハウ
痔核摘出術
岩垂 純一
1
1社会保険中央総合病院大腸肛門病センター
pp.1305-1309
発行日 1986年8月20日
Published Date 1986/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209511
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
適応と手術
痔核は直腸肛門部の静脈叢における静脈瘤といえる病態であり良性疾患であるため,その治療は,まずは保存的に行う.そして保存的療法を行つても症状が寛解せずに出血を繰り返す場合や痔核が進展し肛門外へ脱出するようになり,その脱出が患者自身の日常生活に支障をきたすようになつた場合に手術適応を考える.
痔核の手術としては現在,痔核にそそぐ血管を根部で結紮し,その痔核を肛門管に放射状に切除する結紮切除術が行われている.結紮切除術には痔核を切除した創を開放のままとする場合と閉鎖する場合がある.閉鎖した場合,閉鎖する手技自体が煩雑であり時間もかかり術後の狭窄をきたしやすいという欠点はあるものの,うまく行われると創は,むき出しでないため術後の疼痛は少なく治癒日数は短縮される.また術後の後出血がほとんど見られない安全な術式である.本文では,痔核に対する結紮切除術の中での半閉鎖する術式について述べる.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.