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海外文献紹介「Toxic Megacolonの治療,29例の比較検討」
桜井 幸弘
1
1関東逓信病院消化器内科
pp.195
発行日 1978年2月25日
Published Date 1978/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107214
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Treatment of Toxic Megacolon, A comparative Review of 29 Patients.: Hastorg, W. A. Arvanitakis, C., Skibba, R. M. and Klotz, A. P. (Am. J. Digest. Dis., 22(3); 195~200, 1977)
Toxic Megacolon(以下TM)は潰瘍性大腸炎の合併症として最も重大なもので,1.6~13%にみられる.TMの最適の治療方法,すなわち内科的治療の適応とその期間,外科治療の時期についてはなお意見が一致していない.過去10年間にKansas Medical Centerで経験された潰瘍性大腸炎259例を調査し,TMを呈した29例(11.2%)について治療の面から検討を行った.内科的治療としては,毎日の血算,電解質検査と腹部X線撮影,経口摂取の禁止,補液・輸血・アルブミンの投与,胃内持続吸引,ACTH(120~180u/日)またはhydrocortisone 300mg/日の静注,抗生物質の投与を行った.外科的治療としては可及的に全結腸直腸切除,回腸瘻造設を行った.内科治療のみのものは13例,外科治療は16例.TMの発症は両群とも約60%が潰瘍性大腸炎の診断後6カ月以内に起こった.臨床検査での特徴は白血球増多と貧血であった.X線所見では横行結腸の拡張(6cm以上)と腸管と併走するガス像(腸管筋層内へのガスの進入)である.
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