この人と15分
"脳死"をめぐつて 竹内一夫先生
出月 康夫
1
,
竹内 一夫
2
1聖マリアンナ医大1外
2杏林大脳神経外科
pp.525-527
発行日 1984年4月20日
Published Date 1984/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208606
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
出月 今,脳死の判定基準はどうなつていますか.
竹内 脳死は,定義からいうと,脳全体が非可逆的に機能を喪失している,つまり死んでいるという状態で,生物学的にはきわめて明確な現象なわけですね.たとえば,いろいろな疾患,病態というもので病理学的にもなかなかつかみにくいという病態が多いわけです.電子顕微鏡まで持ち出さなければわからないとか,他のいろいろな診断方法を使わなければわからないという病気はたくさんあるわけですけれども,脳死というような非常にはつきりした状態は,脳が死んでいるんだからかなり明確な状態だと,だから,そういう脳が死んだ状態というものを医学的に判定するというのは理論的にはそう難しいはずではないわけです.判定基準というものがたくさんあるけれども,それはあくまでも物差しであつて,臨床に携わつているものは脳死を判定するということはそんなに困難ではないんです.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.